1. 買取の特集(トップ)
  2. 洋書高額買取品

The Modern Medicine Game Lacrosse The Haudenosaunee and Reconciliationの参考買取価格

◎参考買取価格は新品同様の状態を前提としています。

◎買取時は、状態や需要、在庫数等を再考慮して査定します。

◎参考買取価格は常に変動しているため、目安とお考え下さい。

[洋書]The Modern Medicine Game Lacrosse The Haudenosaunee and Reconciliation

2023年7月に発売です。

[著者や編集者など]

・Taylor

・Travis

・Horn

参考買取価格は1,285円です。

2025年10月27日時点の参考買取価格です。

本書の核となる視点は、ラクロスを単なる競技・娯楽ではなく、ホーデノソーニ―の人々にとって「モダン・メディシン・ゲーム」と見なす枠組みです。具体的には、祖先から受け継がれる精神・土地・文化との結びつきの中で、ラクロスがしばしば魂のケア、共同体の絆、そして文化的誇りを再構築する道具として機能してきたという点です。

内容面では、まずラクロスの起源に遡り、ホーデノソーニ―の言語で「Tewa’a:ratonという名前が伝えられてきたこのスポーツが、創造主からの贈り物として村や部族の儀礼・戦闘準備・祭りなど多様な場面で用いられてきた歴史が整理されており、そこから現代スポーツとしての発展、欧州系定住者によるルール化・普及、そして現在の国際競技化という流れが浮かび上がります。

さらに本書では、ホーデノソーニ―の民族が2010年に国際大会において自己決定を主張し、独自の国旗・パスポート・チームとして参加を試みた過程を紹介しています。この動きはスポーツとしてのラクロスが、民族の文化的表現・政治的存在・和解をめぐる舞台となったことを示しています。

また「和解」というキーワードが示すように、著者はスポーツ文化の改変、植民地主義的なスポーツ浸透、欧米主導のラクロス運営体系といった文脈を分析し、そのなかでホーデノソーニ―の人々がどのように伝統的価値を取り戻し、枠外から主流へと関わろうとしてきたかを論じています。ラクロスは、コミュニティの再構築、世代を超えた知識の継承、そして民族的誇りを育む「メディスンのゲーム」として位置づけられています。

構成としては、おおよそ本書が約222ページというボリュームで、学術的な背景を持ちつつも一般の読者にもアクセス可能な文体で書かれており、スポーツ研究・民族文化・社会教育・和解政策といった複数ジャンルにまたがる読みどころがあります。

読みどころを挙げると、第一に「ラクロスというスポーツを通じた文化的復興」の視角。これはホーデノソーニ―の伝統の中でラクロスが果たしてきた宗教的・儀礼的役割を、現代におけるスポーツ参画や国際舞台での存在証明という文脈と結びつけて提示しています。第二に「スポーツをめぐる脱植民地的実践」。欧米ルール化の波の中で、先住民族自らがラクロスの意味を再定義し、自分たちの価値観と再交渉している点です。第三に「和解」のプロセスとしてのスポーツ。植民地支配・土地剥奪・文化抑圧という歴史的負荷の中で、スポーツが単なる身体活動を超えて民族の社会的・精神的再構築を担う可能性があるという提示です。

このような視点から、本書はラクロスに関心があるスポーツ研究者、先住民族文化の再興に興味を持つ読者、また和解・社会正義・文化継承という文脈を探る教育者や政策立案者にも有益な資料となります。掲載されている事例や理論展開を通じて、ラクロスを題材にして「文化・スポーツ・政治がどのように交錯するか」を学ぶことができます。

一方で、読者がそのまま取り組む際の視点として、著者が博士論文をベースにしているために学術的構成や用語がやや専門的な印象を与える箇所も含まれており、スポーツ文化や先住民族研究に慣れていない方には読み進めるための予備知識を少し用意しておくとより理解が深まるという点も押さえておくとよいです。

単なるラクロスの歴史やルールの解説にとどまらず、スポーツをめぐる文化的・社会的・政治的な視座を探るための豊かなテキストです。先住民族とスポーツ、あるいは文化的倒錯/和解といったテーマを真剣に考えたい読者には、示唆に富んだ一冊です。

洋書等の買取について

ネットでご不要品の処分をご検討されている皆様へ。事前にいくらぐらいになるのか目安がつかないのは不安です。ご安心ください!当店ならネット上でお試し査定ができます。完了まで、わずか10秒。お待たせしません。お試し査定ができなかったタイトルについても、お気軽にお問合せください。