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秘蔵の小磯良平 武田薬品コレクションから 特別展の参考買取価格
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1905年7月に発売です。
[著者や編集者など]
・小磯 良平
・辻 智美
参考買取価格は215円です。
※2025年7月28日時点の参考買取価格です。
2022年6月11日から9月25日まで、神戸市立小磯記念美術館で開催されました。展覧会は武田薬品工業が長年支えてきた小磯良平作品の寄託を記念して企画されたもので、油彩や素描、および薬用植物画を中心に約190点におよぶ多彩な作品が披露されました。
洋画家小磯良平と武田薬品の六代目社長・武田長兵衞との出会いは1932年前後にさかのぼります。欧州遊学から帰国した両者は、芸術とビジネスの視点から共鳴し、長兵衞は良平のコレクターとして重要な作品群を収集しました。その関係は戦火によるアトリエ消失後にも続き、長兵衞が土地を紹介して再建に協力したこともありました。その後も親交は続き、小磯が広告やカレンダー原画、機関紙の表紙に多数携わる背景には、この深い信頼関係があったことが明らかになっています。
展覧会は大きく三部構成で構成されていました。第一はコレクションの形成過程を描き、1930年代に制作された「踊り子」「おさげの女」「人々」などの油彩作品が並び、作家としての眼差しや交流の軌跡をたどれるよう工夫されていました。第二は戦争による苦難を経たあとも続いた制作と生活再建のドラマ。戦災からの復興を支えたパトロンとしての長兵衞の姿が透けて見える場面が印象的でした。第三は薬用植物画を通じた企業との協働です。小磯は1955年から約13年にわたり、武田薬報の表紙に植物を緻密な写生で描き続け、その原画150点が今回は75点程度展示されました。学術性を帯びた作品群は、「植物の根や実を引き抜いた状態を活写し、生命の力を炙り出すような画風に驚かされた」という観客の感想もあります。
図録は2022年に神戸市立小磯記念美術館より刊行され、全103ページにわたり展示作品や解説、年譜などを収録しています。展示替えがあった前期と後期の会期に対応した内容で、収録点数は会場展示に即した厳選された内容です。図録の構成には学芸員による詳細な注記のほか、展覧会の企画趣旨やパトロンと画家の関係性を掘り下げた記事が盛り込まれています。
この展覧会では作品単体の鑑賞にとどまらず、画家と企業家が築いた長年の相互信頼と、その成果が作品や企業文化の中にどのように反映されたかを問いかけていました。そのため、単なる画家の回顧展で終わることなく、制作背景や美術と企業の関係、そして作品と技術とのつながりを再構築する貴重な機会になりました。薬用植物画譜に見られるような、観察と表現を貫く姿勢こそが小磯良平の芸術の深みであり、本展を通じて初めてその奥行きを実感された方も多かったようです。
図録、画集等の買取について
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