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物理学の発展 山本義隆自選論集Ⅱの参考買取価格
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ちくま学芸文庫シリーズの第2巻として刊行されたもので、18世紀から20世紀に至る物理学の広範な発展を扱っています。本書は山本義隆氏が自ら選んだ論考12編から構成され、オイラーの解析力学から量子力学と相対性理論の基礎に至るまでを丁寧に論じています。
書名にあるとおり 「物理学の発展」 を追跡する内容で、冒頭には「Eulerの力学」や「解析力学」出版200年を振り返る論考が置かれ、さらに「カントと太陽系の崩壊」「幾何光学と変分法」「力学と熱学」といった18・19世紀における熱力学や電磁気学の転換点を経ています。これらの中世・近世の潮流を通過すると、後半では「量子論から量子力学へ」「対応原理と相補性原理」「55年目の量子力学演習」と題された量子論への入門的かつ深い洞察、そして予備校向けに書かれた内容を拡充した「相対性理論入門講座」が収録されています。
山本氏は科学史家としての視座を活かしつつ、論理の展開や歴史的背景を明示しながら執筆しています。オイラーやカント、ケプラー、ボーアといった人物を通じ、物理学そのものの発展とともに「自然観」や「世界像」がどのように転換したかが浮かび上がります。古典的な力学から統計・熱・変分原理へ、そして量子と相対性への橋渡しが明快に描かれています。
文庫形式とは思えない充実度と、各論考の専門性と読みやすさのバランスが本書の魅力です。480ページに渡る論集は、物理とその歴史に興味を抱く読者にとって格好の読み物です。筑摩書房のシリーズとしては自選論集Ⅰ「物理学の誕生」に続くもので、こちらもあわせて読むことで、古代から現代に至る物理学の通史的視野が得られます。
山本義隆氏は1941年生まれの科学史研究者であり、東京大学理学部卒・同大学院中退後、駿台予備学校講師も務めるなど教育活動にも関わってきました。筑摩書房からは多くの物理史関連著作を刊行しており、本書もその最前線に位置します。歴史・哲学的側面と具体的物理の理論的内容が巧みに融合し、専門知識を持つ読者でも十分納得のいく深さに仕上がっています。
自選論集としての選編には山本文学と思想の一貫性が感じられ、単なる論文集を超えて著者の思考の歩みが伝わってきます。オイラーから相対論まで、体系的に物理学史を振り返りつつも著者の視座が随所に光るため、読み終えた後には物理学の複層的理解とともに著者の方針や物理に対する応答が胸に残る構成です。
本書は物理学史に関心を寄せる広い層にとって、歴史的視点と理論的洞察を兼ね備えた文庫です。特定分野への深入りにも適しており、読後には古典から現代理論へのつながりや科学的思考の構造について見直すきっかけを与えてくれます。
学術書、岩波文庫等の買取について
高く売るための大事なポイントに丁寧な梱包があります。重いものは下に、軽いものは上に。重さで品物が潰れていしまうからですね。また、ご不要な新聞紙やチラシで隙間を埋めて下さい。隙間があると、配送中にガタガタ動いて傷がついてしまいます。最悪の場合、品物が破損してしまうこともあります。上記2点を抑えて頂くだけでもかなり違ってくると思います。念頭に入れておいて頂けましたら幸いです。