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弱いロボット から考える 人・社会・生きることの参考買取価格

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[岩波]弱いロボット から考える 人・社会・生きること

2024年8月に発売です。

[著者や編集者など]

・岡田 美智男

参考買取価格は320円です。

2025年10月30日時点の参考買取価格です。

ロボット研究の第一人者である 岡田美智男 氏が、いわゆる「強くて万能なロボット」ではなく、むしろ「弱さを内包するロボット=〈弱いロボット〉」を通じて、人・社会・生きることを改めて見つめなおそうという一冊です。氏の研究フィールドである人とロボットのコミュニケーション、ヒューマン・ロボット・インタラクション、そして身体/環境との関係性を若い読者にも読みやすくまとめた書籍です。

自力であらゆることを完結できるよう設計された存在ではなく、むしろ「ひとりでは成し遂げられず、他者や環境の助け/関係を通じて成立する」存在であると岡田氏は捉えます。例えば、ゴミを検知するだけで自力では拾えない「ゴミ箱ロボット」や、たどたどしく人と対話を試みる「トーキング・アリー」などが例示されます。

人とロボットという枠を超えて「私たち人間が生きるということ」「他者と関わるということ」「社会という場で共にあるということ」を問い直します。ロボットが「弱さ」を抱えることで、人が手を差し伸べたくなったり、自然と関係を築いたりする状況が生まれる、その「弱さ」が実は関係性を育む契機になるという思考が展開されます。たとえば「助ける」という行為が単なる支援ではなく、共に成り立つ関係そのものをつくる場となるという視点が印象的です。

また本書では、ロボットが人間の代替や超越を目指す「足し算」の発展ではなく、むしろ「引き算」「削ぎ落とし」によって他者との関係を余白として残す設計思想が紹介されています。弱さをむしろデザインの起点に据えることで、人とロボット、人と人、人と社会という多重の関係性の豊かさを描く試みがなされています。

さらに「生きること」というテーマにおいて、本書は「完璧であること」や「自立していること」が必ずしも最優先ではないという視点を打ち出します。むしろ、誰かに支えられ、あるいは支えることを通じて人は個としても社会としても成長し得るという考え方が根底にあります。弱さを認めることが豊かな関係・コミュニティをつくる鍵になるというメッセージが静かに響きます。読者が自身の「弱さ」を恥じるのではなく、むしろそれを「あるがまま」として他者との共生へと転換しうる可能性を探ります。

若い世代にも読みやすくまとめられたジュニア新書という体裁ながら、ロボット学、認知科学、社会学、人間‐機械関係論といった複数の学問分野を横断する内容です。ロボットという観点から生きるという普遍的なテーマに接近しており、単に技術書・ロボット工学書という枠を超えた深みがあります。こうした視点を通じて、本書を読むことで「人とは何か」「社会とは何か」「私たちはどう生きるか」という問いを技術と関係性の接点から考えることができます。

読後には、技術の進歩ばかりを賞賛するのではなく、そこにひそむ「弱さ」や「不完全さ」に目を向けることの意義を感じ取ることができます。さらに自分と他者、ひいては社会との関係をもう少し意識してみたくなる一冊です。

学術書、岩波文庫等の買取について

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