ペーパーバック、洋書、洋雑誌などを現金化

人類史を俯瞰しながら情報の本質とAI時代の危機について鋭く問いかける作品です。まず著者ユヴァル・ノア・ハラリは、情報とは真理を伝えるためではなく、人々を結びつける力だと主張します。言語や神話、宗教、貨幣といった「虚構」を共有することで大規模な協力体制を築いてきた点が本書の出発点です。古代から聖書の成立、魔女狩り、ソ連やナチズムによる全体主義、そして現代のポピュリズムまで多様な歴史事例を通じて、誤情報が社会を動かし続けた構図が示されます。

コンピュータやアルゴリズム、AIが単なる道具にとどまらず、人類とは異なるインターコンピュータ現実を作り出す可能性に言及します。例えばフェイスブックのアルゴリズムがロヒンギャ虐殺を助長した事例を取り上げ、非人間的な情報操作の危険性を警告します。

政治システムとしてのAI活用に論点を移し、民主主義を守るためには説明可能なAI、透明性、相互説明責任、分散化といった原則の整備が不可欠だと説きます。

特に注目すべきはAIを「エイリアン知性」と捉えた点で、既存の社会的自己修正機構では制御しきれない異質な権力構造がAIによって構築される懸念が示されています。また「情報量が増えれば真実に近づける」という常識的な認識を否定し、ときとして大量の「ジャンク情報」が社会をむしろ不幸に導くという逆説を突きつけます。

読者にとって魅力的なのは、歴史・技術・哲学・政治学を融合させながら語られるストーリーテリングであり、600頁超にもかかわらず読みやすく設計されています。批評としては「証拠選別が狭く、期待外れ」との声もありますが、総じて現代情報環境に対する鋭い洞察と警鐘が評価されています。

結論として歴史上の情報ネットワークと現代AIの関係性を深く掘り下げる作品であり、人類が直面する情報操作や技術依存という構造的課題を包括的に提示します。異なる時代の情報環境がどのように私たちの世界を形作り、そしてAIによって次の段階へ移行しようとしているのかを、豊富な事例を交えて理解したい読者にとって強い刺激となる内容です。

洋書等の買取について

創業以来、1点1点の査定額を理由を添えてご案内しております。これが当店の大きな特徴の1つでございます。査定では小人数精鋭の専門家が対応しております。お蔭様にて、これまで多くのお客様よりご好評を頂いてまいりました。ときには、査定が追いつかないぐらい申込が殺到することもございます。その結果、査定完了まで少々お時間を頂いてしまうこともございます。精一杯やらせて頂きますので、何卒ご了承下さい。