コミケ本やGLや少女漫画系などを取り扱い

サークル「さらなみ」による同人誌で、原作を丸戸史明、作画をよむが担当しています。2025年8月に開催されたコミックマーケット106で頒布されました。本の仕様はA5判で210ページというしっかりとした構成になっており、新刊本編と会場限定の16ページおまけ本がセットとして用意されました。会場での頒布の後は一部の書店で委託頒布も行われています。

本作は「今さらですが、幼なじみを好きになってしまいました」シリーズの第3作目にあたり、これまで育んできた幼なじみ同士の関係が恋愛感情へと変化していく過程を描いています。主人公の白坂陽花梨は16歳の少女で、10年来の幼なじみである高村夕を何気ない日常の中で意識し始めます。相手を強く意識する一方で、これまで通りの関係を保ちたい気持ちもあり、揺れ動く感情が中心に描かれています。物語の展開では甘やかさと切なさが同居しており、幼なじみという近しい存在だからこその距離感の難しさが浮かび上がります。

シリーズは小説と漫画の二本立てで展開されており、SNSでの連載形式も併用されています。漫画は短いページでテンポよく読める作りになっており、小説では登場人物の心理描写が丁寧に掘り下げられています。この構成によって、視覚的な魅力と内面の機微を双方から楽しめるようになっています。第3巻では特に登場人物同士の微妙な感情のずれや言葉にできない想いが強調され、関係性が一歩進む予感を感じさせる仕上がりになっています。

制作背景としては、当面は番外編ノベルなどで展開する方針も示されており、そのため第3巻は、物語の大きな転換点として位置づけられています。シリーズ全体として「幼なじみを恋愛対象として意識してしまった時にどう向き合うか」という普遍的なテーマを扱っており、第3巻はその中でも特に重要な一冊となっています。

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