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下村玉廣玉廣画集・大典図案の参考買取価格
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花鳥風月や童話、干支など日本の伝統モチーフにもとづく図案を自在に描きだす中、天皇即位儀式にまつわる衣装や調度品を斬新に表現した「大典図案」も収録する一冊です。全編オールカラーで仕上げられ、画集としての視覚的な訴求力が際立ちます。図案の点数は約110点に及び、コンパクトながら多彩な世界をたっぷり楽しめます。
下村玉広は明治から大正にかけて活動した図案家で、いわゆる「ポストモダンの先駆」とも言える独特の意匠感覚をもって「桃太郎」「一寸法師」といった昔話から皇室儀礼に至る幅広い題材に挑んでいます。それら図案作品に共通するのは、古典的なモチーフを現代的な視点で解釈し直す柔軟性と豊かな想像力で、時代を超えた新しさが感じられるところです。
本書の解説は藤井健三によるもので、彼は京都市産業技術研究所で研究部長を務めた経歴をもち、図案意匠の歴史的背景や技術面について信頼に足る視点で読み解いています。芸艸堂は手摺木版和装本の伝統を受け継ぐ京都の老舗出版社であり、本作もその美術的機軸を反映した出版物として位置づけられます。サイズは240ミリ四方、ソフトカバー装丁、カラージャケット付きです。
図案の内容に目を向けると、昔話や十二支のほか、ジャポニズムやパリ万博で注目された意匠からウィーンやグラスゴー派を想起させる様式的なアールヌーボー調の表現、さらに西陣織や友禅染、新たな図案技術との融合も見受けられます。それら図案は視覚的に豊かなだけでなく、当時の工芸や染織産業との結びつきも強く意識された作品といえます。
本書は単なる図案集の枠を超え、明治大正期にあって伝統と革新を自在に行き来した下村玉広の創作スタイルを鮮やかに映し出す資料的価値も高い内容といえます。制作者の視座や意匠傾向を深く読み取る楽しみがあり、図案や日本美術の歴史に関心ある方にとっては魅力的な一冊となります。
図録、画集等の買取について
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