自己啓発書や社会学書や学術文庫や全集等を査定

著者がみかみてれん、イラストが竹嶋 えくによるライトノベル作品で、レーベルはダッシュエックス文庫です。シリーズとしてガールズラブの要素を含んだ学園コメディとして展開されており、今回の7巻でもその流れがより深まっています。作品の主軸には、「友達」か「恋人」かという揺れる関係性があり、主人公らがその境界線を模索する物語です。

主人公・甘織れな子は中学時代にぼっちで不登校経験があり、高校では「高校デビュー」を決意して明るく振る舞おうとします。陽キャグループへ入るものの、自分の根っこの陰キャ気質とギャップを感じて苦しむ日々を送ります。そんな折、学園のスーパースターとして君臨する王塚真唯と意気投合し、「ただの友達」以上の関係になりそうな予感が漂い始めます。…けれどれな子自身は恋人になる可能性など想像できず、「親友でいたい」という思いを守ろうとします。

れな子・真唯の二人だけでなく、瀬名紫陽花・琴紗月・小柳香穂といった、各々に個性ある女子たちも登場し、学園の中での人間関係や感情の波が丁寧に描かれています。物語の大きな魅力は、ただ恋愛を描くだけでなく、友情・自分の居場所・過去のトラウマ・姉妹関係など複数のテーマを同時に動かしている点です。

第7巻では、れな子が抱えていた「陰キャで引きこもっていた過去」が焦点となります。妹・遥奈が不登校であることが発覚し、その原因がれな子自身にあるかもしれないという疑念が浮かびます。れな子はその事実を拾い集め、遥奈に問いかけるものの、遥奈は「ばかじゃないの？」と口にして理由を語らず、状況は複雑化します。

加えて、王塚真唯が婚約発表という衝撃の報道を受け、対象がれな子ではなくリュシーというキャラクターであることが発覚。れな子は「遥奈のため、そして自分自身のため」に、仲良しグループ「クインテット」の力を借りて中学時代の同窓会へ乗り込む決意をします。「過去を塗り替える」行動こそが、れな子にとって最大の一手だと信じ、その一世一代の姉妹喧嘩に終止符を打とうと突き進むストーリーです。

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