楽譜、教本、教則本、バンドスコア、譜面類を現金化

このムックはリットーミュージックから2025年5月15日に刊行されたもので，メイン特集は「ジョー・パスとジャズ・スタンダード」です。ジャズ・スタンダードに深い造詣を持ち，さまざまな名曲を自在に演奏してきたジョー・パスにフォーカスしており，その演奏解釈やアプローチのコツ，さらに彼が演奏した代表的スタンダード「Softly, As In A Morning Sunrise」「Just Friends」「Stella By Starlight」を題材にした分析記事まで収録されています。

さらに国内シーンにも焦点を移し，1990年代から2000年代にかけての日本のジャズ・ギター界を「維新」として紹介しています。宮之上貴昭、岡安芳明、三好「3吉」功郎、山口武ら複数の実力派ギタリストへのインタビューやディスクガイドを通じて，その時代に生まれた魅力的な作品群を再評価しています。また「King Jazz Re:Generation」シリーズと連動したガイドも掲載されるなど，国内リスナーにとって耳慣れた作品とのつながりも深く探っています。

特筆すべきは付録CDで，紙の誌面購入者にのみ全12曲が収められています。収録内容には宮之上貴昭&スモーキンによる「The Way You Look Tonight」や「Softly As In A Morning Sunrise」，三好功郎による「Stella By Starlight」「I Remember You」，山口武とRon Carterによる「Someday My Prince Will Come」などが並び，国内演奏家のスタンダード解釈を生演奏で体験できます。演奏スタイルやアレンジの実例を聴くことで，誌面で得た理論や分析を実践的に学ぶことが可能となっています。

未掲載）や宇田大志氏の「ジャズ・ギターに近道なし！」，高免信喜氏のニューヨークレポート，小川隆夫氏による「ギタリスト死亡診断書ファイル」など，誌面と動画の連動やコラム的読み物としても読みごたえがあります。さらに「Just Friends」のギタースコアが付属するため，譜例を自分で弾きながら勉強するのにも向いています。

サイズはA4変形96ページで，読みやすいページ構成とビジュアルが特徴です。本書は，ジャズ・スタンダードをもっと深く学びたいギタリストに向け，ジョー・パスの解析から国内演奏家の実演まで多角的に学べる構成となっており，付録CDの音源を使用して実践力を高める教育的な一冊です。

このように誌面と音源が有機的に連携しており，分析から実践までを一貫して学ぶための構成が非常に充実しています。

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