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支配について──Ⅰ 官僚制・家産制・封建制の参考買取価格
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2023年12月に発売です。
[著者や編集者など]
・マックス・ウェーバー
・野口 雅弘
参考買取価格は440円です。
※2025年10月27日時点の参考買取価格です。
マックス・ウェーバーの支配構造をめぐる理論的検討を、新訳と詳細な注釈付きで提示した岩波文庫の一冊です。ウェーバーが未完のまま遺した「経済と社会」の中の「支配の社会学」部分を中心に、支配の正当化、支配形態、行政と経済との相関を論じるテクストを収録しています。
本書の第Ⅰ部では、まず「支配とは何か」をめぐる理論的枠組みを提示しています。ウェーバーによれば、支配を維持するためには三つの正統化原理が根拠として作用するという視点が導入されます。それを踏まえ、支配形態の典型として「官僚制」「家産制」「封建制」という三つが詳しく論じられています。
官僚制の章では、近代国家における官僚制度の機能や制度的性格を分析しています。権限の分化、命令の体系、合理性・手続き性の追求などが焦点となり、官僚が支配システムを支える機構としてどのように構成され得るかを明らかにします。
家産制の章では、支配者がその家産を基盤とし、支配を私的・人格的な関係を通じて行使する形態が論じられています。近代的な法制度や規範的支配とは異なり、家長制的・個人的忠誠・親族関係などが支配の根拠を成す点が特徴です。ウェーバーはこの家産的支配を「家産官僚制」として位置づけ、支配者と幹部との契約関係的性格を分析しています。
封建制の章では、封建関係を通じた間接的統治や、封臣を通じて領地管理・軍事義務を分担させる制度構造に焦点が当たります。封臣が譲受した封土を自ら管理し、支配者とは一定の儀礼的・契約的関係を結ぶ点、また封建構造を家産制・伝統支配の延長線上に位置づけて整理する点が特徴です。
家産制と封建制の違いもウェーバー議論上の論点であり、封建制は比較的「間接支配的」で、封臣が自律性をもって領国を運営する性格が強いとされ、家産官僚制は支配者の私的ドメインがそのまま行政運営に入り込む性格を帯びる点に着目されます。
本書の優れた点は、多くの歴史的実例を引きながら、支配構造の背後にある経済基盤との関連を検討している点です。支配形態を形式的に分類するだけでなく、支配が成立・持続可能となるための制度要因、行政と財源の関係、支配者と支配対象との日常的な関係性などを多面的に浮かび上がらせます。
この第Ⅰ巻を読むことで、支配という現象を制度・権力・経済・歴史の交錯点から捉える視座を得ることが可能です。支配の正当性、支配形態の移り変わり、支配者と被支配者との関係性に対する深い洞察が得られ、政治学・社会学・歴史学を横断する議論の入口として非常に示唆に富む内容です。
学術書、岩波文庫等の買取について
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