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職業としての将棋棋士の参考買取価格
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棋士 青野照市 が半世紀にわたる現役時代の経験をもとに、将棋界の内側をリアルに語った一冊です。著者自身の将棋会館での生活や修業時代の苦労、棋士としての試練・成功・挫折を赤裸々に綴りながら、棋界にまつわる「職業としての将棋棋士」という視点を鋭く提示しています。
まず本書の内容構成として、青野氏は中学卒業後に将棋会館に居住して「塾生」として棋士見習いの日々を送った経験を語ります。 その時期に出会った、破天荒な棋士、奇行振るう「奇行士」と呼べるような棋士、天才や変人とされた棋界の人々の生態が、独特の視点とユーモアを交えて描かれています。
さらに棋士として頂点を目指す過程も見所です。作者は、将棋界の最上位リーグである「A級」を目指しての試練、重圧、そしてそれをどう乗り越えてきたかを率直に語っています。 また、引退後に向き合った自身の心境の変化も丁寧に記述されており、単に「棋士の栄光」のみを語るわけではなく、長いプロ生活を送ったからこその苦渋や葛藤にも踏み込んでいます。
興味深い点として、一般にはあまり語られない「棋士という職業」の側面も掘り下げられています。たとえば、棋士はどのような人と結婚するのか、一流企業の役員と棋士ではどちらが稼げるのか、あるいは奨励会を退会した人々がその後どのような人生を歩んでいるのか、といったテーマです。これらは将棋ファンはもちろん、棋界をあまり知らなかった読者にも新鮮に映る内容です。
文章の語り口も特徴的で、棋士としての戦いの日々だけでなく、将棋会館で夜を明かした修行時代の体験、棋界の風習や人間関係、ライバル・師匠・弟子との関わりなどが「仕事としての将棋棋士」の実像を通して浮かび上がります。こうした体験記としての要素と業界分析的な要素がバランスよく混ざっているため、将棋というテーマに詳しい方にも、これから関心を持ちたいという方にも手が届く内容になっています。
読了後に得られるものとして、まず「棋士とは何か」「なぜ棋士になるのか」「棋士であることの意味と難しさ」が深く理解できます。さらに「将棋界というひとつの職業・産業としての側面」も明らかになるため、趣味的に将棋を楽しむ読者にも、新たな視点をもたらします。加えて、棋士を志す若者やその保護者にとって、リアルなキャリアのモデルとしても示唆を与えるものです。
少しだけ留意点を挙げると、著者の体験が主軸であるため、すべての棋士・将棋会館の状況が本書通りというわけではありません。時代・棋界の環境も変化しているため、その点を踏まえつつ読むと、過去から現在への流れを観る手掛かりとしてさらに面白くなります。
将棋の技術的解説や詰将棋の問題がメインではなく、「棋士という職業を内側から描いた」物語・分析書という位置づけになります。棋書や戦法書とは異なる趣向の一冊です。
将棋本、囲碁本等の買取について
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