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ザ・ドゥービー・ブラザーズの通算16作目となる新作スタジオ・アルバムで、2025年6月6日にRhino Recordsからリリースされました。マイケル・マクドナルド、トム・ジョンストン、パトリック・シモンズ、ジョン・マクフィーという、バンド史上初となる再集結を果たした4人が制作に携わる意欲作となっています。プロデュースは実績豊かなジョン・シャンクスが担当しており、冬季の2024年にロサンゼルスで録音された音源には、それぞれのメンバーによる個別の楽曲制作とその融合が反映されています。

収録楽曲は全10曲で、タイトル・トラック「Walk This Road」にはゴスペル／ブルース界の重鎮マヴィス・ステイプルズがゲスト参加し、再出発と希望をテーマにしたメッセージ性の強いナンバーとして評価されています。「Lahaina」にはフリートウッド・ホイールのミック・フリートウッド、ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロ、地元シンガーのヘンリー・カポノといった豪華ゲストが参加し、2023年のハワイ・マウイ島における山火事への哀悼や鎮魂の想いを込めた深い意味を持つ楽曲に仕上がっています。

アルバム全体はフォークロックとポップ・ロックの融合的作風でまとめられており、ザ・ドゥービー・ブラザーズならではのハーモニーとマクドナルドのソウルフルな歌声が響き合う構成となっています。収録時間は約38分48秒で、シンプルながらも聴き応えのある仕上がりです。

批評面では評価が分かれるところがあり、Medium誌のGary Marlowe氏は「どれも想定内で冒険性に欠けるが、メンバーが揃った意義はある」と一定の批判をしながらも、その再結集そのものに価値を見出しています。一方、Rock & Blues Museは「70代の彼らが今も洗練された音楽を作れるのは素晴らしい」と肯定的に評し、Ultimate Classic Rockも「心地よく力強い内容で、現代の不安を和らげる作品に仕上がっている」と高く評価しています。

アルバム発表後にはリリース記念ショーがニューヨーク・アーヴィング・プラザで開催され、バンドは「Walk This Road Tour」と銘打った北米ツアーやUK公演で、新曲と往年のヒット曲を織り交ぜたセットリストを披露しています。Glasgow公演でもタイトルを冠したツアー名が用いられ、古参メンバー4人の強い結束と円熟した演奏力が賞賛されました。

制作・演奏面では、ジョン・シャンクスによる洗練されたプロダクションと、マクドナルドによる鍵盤ワークや多彩な楽器アレンジが際立ちます。また、メンバー全員による共同的なアレンジが随所に感じられる点が本作の特徴です。全体として成熟味あるサウンドであり、再結集という歴史的瞬間を記録した作品として注目に値します。

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