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本書は税理士が日々遭遇する法務・税務上の悩みに対して、実際に弁護士が助言を行った質疑応答形式で構成されています。税理士が直面する疑問を分類し、具体的な事例から得られる学びを体系化しています。内容は４部構成になっており、第１章は法務に関する内容で、事前確定届出給与に係る株主総会の決議方法や役員の通勤手当の扱い、法人の解散や事業承継、贈与詐害行為への対応、代表者解任など、会社運営に伴う幅広いテーマをカバーしています。

第２章は税理士の損害賠償責任に起因する実務上の留意点を扱い、顧問契約書の条項交渉、粉飾決算リスク、申告後の責任やメール契約の証明力など、税理士としての業務リスク管理に関わる実践的な回答が収録されています。第３章では税理士法の規定に関する注意点が整理されており、業務委託、税理士法人や会計法人との法的関係、複数事務所の開設ルールなど、税理士業務を法令に沿って適切に進めるための視点が提供されています。第４章は税務についての具体事例に応じた解説で、過年度累計損益修正に関連する更正請求期間や消費税の税額控除の対象、資料提出を拒む顧問先への対応、税務調査手続との関連など、顧問先への実務支援に直結する内容が網羅されています。

著者については東京弁護士会所属の弁護士であるとともに税理士の資格も有し、「みらい総合法律事務所」にて代表パートナーを務めている旨が紹介されています。その立場から実務現場のリアルな声を反映した構成になっています。刊行は同じくロギカ書房によるもので、2020年6月下旬に発売されています。

この書籍は税理士の日常業務における法務・税務上の問題を現場の会話として再現しており、回答が具体的かつ独立した形式でまとめられているため、興味関心のある事案をその都度参照しやすい構成になっています。税理士業務の「実務のリアル」を理解するうえで示唆に富んだテキストと言えます。

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