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宇宙飛行士の野口聡一氏と元キャスターの大江麻理子氏による対談形式の書籍です。2009年にアメリカのNASAで行われた対談をきっかけに交流が始まり、両者のキャリアや人生観について深く語り合っています。

野口氏は三度の宇宙飛行を経験し、16年間で船外活動を4回行い、世界で初めて3通りの方法で帰還したとしてギネス記録に認定されています。一方、大江氏は「WBS」のメインキャスターとして活躍し、経済ニュースから街歩き番組まで幅広いジャンルの番組に出演してきました。

本書では、順風満帆に見える二人が抱えてきた悩みや葛藤、挫折について語られています。宇宙飛行士として、キャスターとして、何を感じ、どう生きてきたのか。ストレスや人間関係、宇宙体験、そして組織のあり方まで、多岐にわたるテーマが取り上げられています。

野口氏のさまざまな経験談が大江氏の言語化の上手さによって理解しやすくなっているとの声があります。また、野口氏が二度目の宇宙飛行から帰還後に「不完全燃焼」の状態に陥り、次の「出番」がなかなか来ない苦しい時期を経験したことが語られており、これは大きな仕事を成し遂げた後に燃え尽き症候群のような状態になることの典型例として挙げられています。

宇宙飛行士とキャスターという異なる職業の二人が、それぞれの視点から「自分の弱さ」と向き合い、どのように乗り越えてきたのかを知ることができる貴重な一冊です。彼らの対話を通じて、読者自身も自己理解を深める手がかりを得られます。

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