不動産BD、投資ビデオ、賃貸専門書類を買います

米プライベート・エクイティ大手 ブラックストーン・グループを共同創業し、会長兼CEOを務める スティーブ・シュワルツマン 氏によるビジネス書であり、自らのキャリアと投資・経営哲学をストーリー化した一冊です。日本版増補版として、著者自身による「日本なくしてブラックストーンなし」というまえがきや、 孫正義 氏の特別序文が追加掲載されている点も特徴です。

本書の構成は大きく四部とエピローグから成り、「障害をとりのぞく」「価値ある夢を追求する」「まがり角の先を見通す」「タッチダウンをねらって」という順にキャリアの節目を追いながら、著者の思考や行動のロジックが展開されます。各章に加えて、特別コラムや「仕事や人生に役立つ25のルール」といった章末の要約も収録され、読者が実務や人生に応用しやすい構成となっています。

内容の要点としてまず挙げられるのは、投資やビジネスにおいて「利益」よりも「損失」に徹底的に注目すべきという姿勢です。著者は、プラス面の魅力に引かれて飛びつくのではなく、マイナス面を徹底して検証することで危機を回避できると説いています。 また景気の「底」を完璧に見極めようとするのではなく、価格が少し回復した段階で果断に行動すべきという具体的な投資判断の指針も示されています。

続いて、ビジネスや人生で成功を収めるための風土や習慣についても深く語られています。例えば「自分の問題を解決したければ、まず相手の問題を解決せよ」「ビジネスにおいて最も重要な資産は情報だ」という考え方が提示されており、こうした言葉は金融や投資領域に限らず、広範なビジネスパーソンにとって示唆に富むものです。 さらに採用面接の心得、起業前の三つのテストといった実務的なコラムも散りばめられ、机上の理論だけでなく日々の行動に直結しやすい構成になっています。

本書は著者の半生をたどるだけの回顧録ではなく、「卓越性の追求」というテーマの下、次の世代に引き継がれるべき思考の枠組みと実践の道筋を明示している点が大きな魅力です。ウォール街での初期キャリア、ブラックストーン創業、世界規模での投資・事業拡大、そして社会貢献といった一連の流れが、単なる成功物語にとどまらず「どのように考え、どう行動し、何を学んだか」という視点で掘り下げられています。

また日本版増補版として「日本なくしてブラックストーンなし」という強いメッセージが付加されており、著者が日本市場や日本人投資家をいかに評価しているかが明示されています。これは日本の読者にとって、単に翻訳を読んで終わるのではなく、より日本的な文脈も意識しながら読む価値のある要素です。

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