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クロード・モネが43歳以降過ごしたフランス、ノルマンディー地方のジヴェルニーに焦点を当て、その生活と作品を豊かなビジュアルで綴った画集兼評伝です。庭園「花の庭」「水の庭」の四季折々の表情や、代表作を多数掲載する内容構成となっています、その新装版は2004年の初版に比べてさらに完成度が高められている印象です。

ノルマンディーのジヴェルニーはモネが築いた象徴的な創作の場として知られます、本書はその庭園を細やかに紹介しながら、モネの生活の場としてのジヴェルニーに親近感を抱かせる構成です。写真・文を担当した南川三治郎は、パリを拠点としてヨーロッパ芸術の真髄を独自の視点で追い続けたフォトグラフィック・ライターであり、視覚と文章によってモネの世界を再構築しています。

ビジュアル評伝として、ガーデンの美しさとともに、モネの代表作や資料図版が豊富に掲載されている点が特筆されます。それにより、モネの創作プロセスや芸術的軌跡を、視覚を通して体感できる構成に仕上がっているのが特徴です。

さらに、2023～2024年にかけて日本で開催された大型巡回展「モネ睡蓮のとき」と関連づけて紹介されることがあり、本書は展覧会の鑑賞準備にも相応しいとされている点も読みどころです。

一般的な評伝や美術解説ではなく、モネ自身が実際に暮らし、手掛けた庭園そのものを通してその芸術世界へと誘うスタイルが魅力であると感じます。モネの世界を庭園というフィルターを通じて視覚的に追体験し、画家の創造と生活の交差点に立つようなユニークな構成が印象に残ります。

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