民族舞踊専門書やフラメンコDVDなどを取り扱い

ハンブルク・バレエ団によるライブ映像作品で、DVDは2012年6月27日に新書館よりリリースされました。映像は約2時間3分のステレオ収録で、バッハとワーグナーという対照的な音楽を通奏低音とする構成が特徴です。原作はトーマス・マンの同名小説ですが、ノイマイヤーは主人公を作家から振付家へと置き換え、芸術家としての自我と人間的衝動を深く掘り下げています。

舞台はヴェニスを背景に若き美少年タッジオに心を奪われた振付家アッシェンバッハの内面を中心に展開します。演出は「死の舞踏」と銘打たれ、情欲と知性の渦中で揺れ動く主人公の苦悩が丁寧に描かれ、その精神的変遷が作品全体を貫いています。ある観客の感想では「情欲の懊悩が全面的に出ていて、初っ端からぶっ飛ばしている」と評価されるほど作品の衝撃が強く伝わります。

映像版はドイツのFestspielhausBadenBadenで2004年に収録され、当初は2016年10月28日にArthaus Musikから全世界向けにNTSC方式のDVDおよびBlurayで発売されています。このフォーマットでは収録時間が約123分＋ボーナス59分で、演出・照明・衣装はノイマイヤー自身および共同作業者のピーター・シュミットが担当しています。

このDVDは舞台芸術としての構成だけでなく、音楽と映像が相乗的に作用し、アッシェンバッハの内面世界を象徴的に映し出す詩的映像作品として評価されています。ノイマイヤー独自の文学読み替えと視覚化はバレエファンだけでなく文学・演劇・音楽ファンにもアピールすると言えます。

出演者には振付家役のロイド・リギンズ、助手兼母役などを兼ねるラウラ・カッツァニガ、タッジオ役のエドヴィン・レヴァゾフ、その他イヴァン・ウルバンやエレーヌ・ブシェが主要キャストに名を連ね、全体をハンブルク・バレエ団が支えています。日本国内での発売は新書館が手掛け、そのパッケージと仕様も国内向けに調整されています。

音楽と象徴的演出が融合するこの作品は、ノイマイヤーの代表作の一つとして多くの解説記事や鑑賞者に語られてきました。芸術家の創造と宿命を問い直す構造が今回も色濃く浮かび上がっており、原作ファンにも舞台芸術のファンにも深い余韻を残す作品として高く評価されています。

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