駅BD、機関車専門書、車両雑誌類が売れます

1907年の鉄道国有法施行から1945年の敗戦までの約40年間を対象とした日本鉄道の通史です。日露戦争後の重工業化と国際化の進展に伴い、鉄道は国家の重要なインフラとして発展しました。満州鉄道の設立や欧亜連絡列車の運行開始など、国際的な鉄道網の構築が進められました。

都市化の進行により、阪急や東急などの私鉄が発展し、郊外の形成や観光地の開発が促進されました。関東大震災や世界大恐慌といった社会的な危機にもかかわらず、鉄道は復興と経済活動の支柱として機能しました。戦時下では、鉄道が物資や人員の輸送手段として動員され、その重要性が一層高まりました。

本書は、鉄道を単なる交通手段としてではなく、政治、経済、社会、文化の各側面から総合的に捉えています。鉄道の発展が都市の形成や国土の構造に与えた影響を詳細に分析し、鉄道が日本の近代化に果たした役割を明らかにしています。鉄道史研究の第一人者である老川氏の豊富な知識と洞察により、読者は鉄道を通じて日本の近代史を深く理解することができます。

鉄道ファンのみならず、日本の近代史や都市史に関心のある読者にとっても価値のある一冊です。鉄道の発展とともに変化する社会の姿を描き出し、日本の近代化の過程を多角的に捉えることができます。

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