講談社文庫や雑学文庫や政治学書やNHK新書類が売れる

哲学者と学生の対話形式を通じて、中世の神学者トマス・アクィナスの思想を現代に分かりやすく伝える書籍です。著者は、トマスの主著「神学大全」を基に、人間の感情と理性の関係を探求し、感情の根底にある「愛」の存在を明らかにしています。

本書では、怒りや憎しみ、絶望といったネガティブな感情も、愛を失うことへの恐れから生じると解釈されます。トマスは、感情には論理と構造があり、それを理解することで自己と世界との関係をより良く築けると説いています。例えば、希望や絶望、恐れといった感情は、未来の善を求める心の動きとして捉えられます。

また、著者は、哲学者と学生の対話を通じて、トマスの感情論を具体的に解説しています。学生の鋭い質問に対して哲学者が答えることで、読者は哲学的思考のプロセスを追体験できます。この形式により、難解とされる中世哲学が身近なものとして感じられるようになります。

さらに、トマスの思想は、キリスト教の枠を超えて、普遍的な人間の理性に基づいています。彼は、アリストテレスやイスラーム哲学の影響を受けながら、信仰と理性の統合を目指しました。そのため、本書は、宗教的背景に関係なく、広く人間の感情や倫理について考える手助けとなります。

本書を通じて、読者は、世界に存在する善や愛に気づき、自己と他者、そして世界との関係を再考する機会を得ることができます。哲学に馴染みのない方でも、対話形式と具体的な例を通じて、トマスの思想の核心に触れることができます。

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