パチンコ雑誌やギャンブル入門書などを取り扱い

精神科医であり作家でもある帚木蓬生による著作で、ギャンブル依存症の脳内メカニズムとその社会的影響について深く掘り下げています。著者は35年以上にわたりギャンブル依存症の治療に携わってきた経験を基に、多くの臨床例と最新の知見を交えて、依存症の恐怖のスパイラルを解き明かしています。

本書では、ギャンブル依存症が引き起こす脳内の変化、特にドーパミンの過剰分泌や思考回路の変化について詳述されています。これらの変化は、薬物中毒よりも深刻な依存状態を引き起こす可能性があるとされています。また、ギャンブル依存症が家族関係の崩壊や犯罪行為にまで発展する危険性についても触れられています。

さらに、ギャンブル依存症になりやすい人の特徴や、ギャンブルに対する過剰な期待、自己過信、迷信的な信じ込みなどの心理的要因についても分析されています。これらの要因がどのようにして依存症を引き起こすのか、具体的な事例を交えて解説されています。

社会的な側面としては、日本における公営ギャンブルの歴史や、ギャンブル規制の現状、そして国や官僚の対応の問題点についても批判的に論じられています。特に、ギャンブル等依存症対策基本法の実効性や、オンラインカジノの問題など、現代社会が直面する課題についても取り上げられています。

回復の可能性についても、本書では希望を持たせる内容が含まれています。自助グループの効果や、家族の支援の重要性、そして回復に向けた具体的なステップについても詳しく述べられています。これにより、依存症に苦しむ人々やその家族にとって、実践的な指針となる内容が提供されています。

帚木蓬生は、東京大学仏文科を卒業後、九州大学医学部で学び、精神科医としての道を歩みました。作家としても「三たびの海峡」で吉川英治文学新人賞を受賞し、「閉鎖病棟」で山本周五郎賞を受賞するなど、多くの文学賞を受賞しています。彼の医師としての経験と作家としての表現力が融合したギャンブル依存症に対する深い理解と洞察を提供しています。

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