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龍虎の生贄 驍将・畠山義就の参考買取価格

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[歴史小説]龍虎の生贄 驍将・畠山義就

2019年9月に発売です。

[著者や編集者など]

・濱田 浩一郎

参考買取価格は250円です。

2025年7月19日時点の参考買取価格です。

室町時代を舞台に、応仁の乱の背後で動いた畠山義就の生涯に焦点を当てた歴史小説です。著者の濱田浩一郎氏は歴史学者でもあり、当時の家督争いや政治的駆け引きを丹念に描いています。

物語は応仁の乱という大乱に発展した背景にある、畠山家の相続争いから幕を開けます。義就は父・持国の庶子として生まれながら、当初は叔父である持富が後継候補として位置づけられていました。義就が実子であることが明らかになったことで、養子制度を巡る激しい対立が生じました。叔父の系統を継いだ従兄弟・政長と対立し、山名宗全や細川勝元といった有力守護大名を巻き込んだ権力闘争へと発展していきます。

争乱は将軍・足利義政による幕府の介入を招き、結果として京都全域を巻き込む内乱へと拡大します。義就は山名氏と連携し、政長側についた細川勝元と激しく対峙します。その過程では弟分の尼僧や忍者といった要素も登場し、歴史小説としての読後感を豊かにしています。

義就を象徴する「龍」の如き勇猛さと、「虎」の如き家督争いの苛烈さを暗示しています。全6章構成で、序章から果ての章へと展開し、義就が戦乱の果てに何を得、何を失ったかが静かに描かれています。

著者・濱田浩一郎氏は1983年兵庫県生まれで歴史学の専門家としても知られ、学術的視点と小説的魅力を両立させている点が特長です。従来あまりスポットが当たらなかった義就という人物に光を当てつつ、大河ドラマをきっかけに物語化した背景もブログ等で語られています。

装画は宮崎萌美氏が担当し、金銀を基調とした重厚で印象的なビジュアルが本編の激しい戦乱と人物像を象徴する仕上がりになっています。

従来の応仁の乱とは異なる視点から幕府政治や守護大名の抗争を浮かび上がらせ、戦国時代への過渡期をリアルに表現しています。義就を取り巻く政治的選択や戦略、人間ドラマが重層的に描かれており、当時の複雑な権力構造に興味を抱く読者にも深い示唆を与えます。

全体を通して応仁の乱という歴史的大事件を、義就という一人の武将の視点から再構成する試みは、新たな歴史の読み方として非常に刺激的です。第一級の歴史エンタテインメントと呼ぶにふさわしい一冊であり、戦国前夜の混迷とそこで揺れる個々の人間像を知るうえで格好の入門書ともなっています。

時代小説、歴史小説等の買取について

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