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杉本昌隆八段が「週刊文春」で連載中の随筆をまとめたもので、2025年8月22日に刊行された第2弾の書籍です。この第2巻では、藤井聡太七冠が初めて名人位を獲得し、さらには史上初の八冠完全制覇を達成した2023年以降、約2年間にわたる師弟の関係や将棋界の動きが軽やかな語り口で描かれています。

タイトルに掲げられている「ライバルたち」とは、永瀬拓也九段、伊藤匠叡王、豊島将之九段といった藤井七冠を巡る強敵たちとの対局裏話や心情にも紙幅が割かれています。 目次を見ると、「棋士のファンサービス」「昭和脳の師匠はつらいよ」「全冠制覇の期待」「持将棋というドラマ」など、日常の小話から将棋界の内情、対局の裏側まで多岐にわたる章が並んでいます。

エッセイの総数は「102手」と表現され、書き下ろし2篇に加えて特別対談も収録されており、有働由美子氏との対話も一つの目玉になっています。語り口は砕けており、師匠としての照れや苦労、弟子を間近に見る視点がユーモラスに滲む文章が特徴です。「ユーモアの中にも勝負師の一面が見える」「好感度が上がった」といった声が挙がっています。本書はただの棋士エッセイ集には留まらず、棋界の潮流、ライバル同士の人間関係、対局以外で見せる人間性といった側面を多角的に味わえる作品です。棋書としての定跡や手筋を語るものではないものの、将棋ファンや藤井聡太のファンならば、ステージ裏を知る面白さが十分にある一冊です。

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