風水専門書、手相ゲームなどを買取

易経の成立から清朝に至るまでの易学の展開を体系的に論じた学術的著作です。著者は、易経が単なる占いの書ではなく、儒教の核心的原理としてどのように位置づけられてきたかを明らかにしています。本書では、陰陽による二元論が中国思想においてどのように形成され、発展してきたかが詳細に解説されています。

第一章では、易経の成立について、通説の批判から始まり、易の発生基盤、経文の構成、左伝に見える易、彖と象、陰陽、繋辞、十翼の完成までが論じられています。第二章では、前漢から清朝に至るまでの易学の展開が、各時代の特徴とともに解説されています。第三章では、筮法についての説明があり、第四章では、易と中国人のものの考え方についての考察がなされています。解題では、著者が「易経」というテクストに焦点を絞り、それがどのようにして成立し、漢代から清朝に至るまで、どのような解釈が施されたかを解明しようとしたことが述べられています。その際、「易経」や注解および注解者の内部に降り立って分析する一方、そのような読解が生み出された根拠を注解者の内面とともに外面、すなわち彼らが生きていた時代相にも求めるところに本書の独自性があるとされています。その結果として、本書のボリュームの大半を占める第一章と第二章がおのずから先秦から清代に至る思想史になっていると評価されています 。

易経の成立史や解釈の歴史を通じて、易がどのようにして中国思想の中核となったのかを理解する手助けとなるとの声があります。また、陰陽二元論の理解が深まり、中国的思考の本質に迫ることができるとの評価もあります 。

1960年にサーラ叢書より刊行された同名書の文庫化であり、長年にわたり易学研究の基礎文献として位置づけられています。著者の本田済は、京都帝国大学文学部支那哲学史科卒業後、大阪市立大学教授、梅花女子大学学長を歴任し、易学研究に多大な貢献をしてきました 。

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