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監督 フェルディナンド・バルディ が手掛け、主演でありかつ製作・共同脚本も務めた トニー・アンソニー を中心に、ジーン・クインターノやヴィクトリア・アブリル、リカルド・パラシオスなどが出演している西部劇です。物語は銀行強盗の H.H.ハートが結婚式当日に花嫁を誘拐され、復讐と救出を目指して荒野を奔走するという設定です。

ヨーロッパとアメリカの合作という位置づけで、西部劇ジャンルの「スパゲッティ・ウェスタン」的要素を持ちながら、3D 劇場上映を前提に撮影された点が特異です。具体的には、「オーバー・アンド・アンダー」方式の35 mmフィルム2コマ重ねによる3D撮影が行われており、それによって飛び出す矢、無数の投げ物、観客へ迫るカメラワークなど「3D体験」を売りとした演出構成になっています。

その後、本フォーマットを待望していたファンやコレクター向けにブルーレイ化された際には、製作会社 MVD Visual による復元版がリリースされ、2016年1月26日付でリリース情報が確認されています。リージョン情報を見ると、リージョンA仕様も含まれており、英語音声が主で字幕の有無は版によって異なる可能性があります。

映像的・歴史的な意義として、この映画は80年代初頭における3D映画リバイバルの先駆けともされており、従来の3Dブーム以降、劇場興行で3Dを再び大きく打ち出した作品のひとつと評価されています。また、スパゲッティ・ウェスタンの衰退期にあって「ジャンル再活性化」を試みた作品とも位置づけられており、撮影後の編集・配給戦略からも興味深いです。

ストーリー構成としては典型的な復讐劇かつ西部劇のフォーマットを踏襲していますが、3D演出が随所に組み込まれており、トニー・アンソニー自身も「これは単なるシリアスな西部劇ではなく、娯楽志向の『観客をスクリーンの中に引き込む』作品だ」と語っています。そのため、深い心理描写や社会批評的側面を追求する作品ではなく、その分「見せ場」にフォーカスした作りであるという特徴があります。

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