裁断済コミック、裁断済漫画、自炊漫画類を買取り

たーちゃん氏が自らの経験を込めて執筆した書籍では、医学の道を志すも挫折を味わいながら株式投資に目覚め、家庭教師で得た50万円の元手からわずか十数年で資産50億円を築いた過程が物語として綴られています。広島大学医学部卒で現役麻酔科医として忙しい日常を送りながらも、セガサミーやオーストラリア金鉱株などに投資し、2005年には資産1億円を達成。さらに研究を重ねる中で「分散×集中投資」に改めて集中し、バリュー株主体の守備的手法と、景気循環を活用した「シクリカルバリュー株投資」によって資産50億円超に到達しています。

本書は三部構成で、まず第一に「資産バリュー株投資」として企業の資産価値や財務力に着目して割安株を見極める手法を紹介しています。次に「収益バリュー株投資」として企業の稼ぐ力を重視し、利益実績や成長余地を掲示します。最後に「シクリカルバリュー株投資」として不況局面で業績落ち込む企業に投資する戦略を解説し、回復期を狙って数倍以上のリターンを狙う戦術を示しています。それぞれの局面でどのような指標に注目すべきか、判断に迷ったときのレポート作成法や、利益を伸ばすための+αの工夫も具体的に記されています。

書籍には著者の生い立ちとして、少年期に「君が行ける高校はない」と指導された苦悩、医学部進学に至る学歴背景、そして国家試験失敗や雀荘通いなどの挫折から蘇る再起のエピソードが語られており、投資技術だけにとどまらず、人間としての学びや姿勢も重視されています。こうした体験を背景に娘に伝えるべきメッセージとして、謙虚さや努力の必要性も随所に織り込まれています。

また余命宣告を受けた医師としての覚悟や、本書が「人生の集大成」であるとの想いも余すことなく展開されています。49歳で肺と肝臓へのがん転移が判明し、主治医から「50歳は迎えられても51歳はわからない」と言われた状況下、娘への最後の株式授業として全力で執筆に取り組んだという背景は、読者に強い印象を与えています。

具体的な内容としては、まず割安株投資の基本的指標と選定法から始まり、続いて収益性とバランスシートの健全性に基づくチェックポイントを丁寧に説明しています。それに加え、シクリカル銘柄の選定基準や景気循環のタイミングを読む方法など、旧来のバリュー投資書では取り扱われにくかった領域も扱われています。さらに投資候補企業について根拠ある分析を行うための「企業分析レポートの書き方」や、実際に投資判断を支える「+αのティップス」も本書の見どころです。

全体を通して、たーちゃん氏の投資法は一過性のバズではなく、長期にわたって検証された戦略であることが伝わってきます。具体例としてセガやアークランドサービス、アイフルなどでの投資成功例が挙げられ、2005年までに1億円、さらに10億円以上へと資産が成長していった事実が示されています。

全322ページにわたり語られる本書のメッセージは、単なる投資指南ではなく、著者自身の人生そのものです。その中には投資の理論と実践の両輪があり、努力・分析・忍耐といった要素が不可欠であると伝えています。そして娘に伝えたい「人生を切り拓く力」を養うための知恵として、読者にも多くの示唆を提供しています。

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