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SACDハイブリッドで収録されたこのアルバムは20世紀を代表する作曲家フランシス・プーランクの魅力を、鋭敏な感性と確かな表現力を携えて奏でた演奏録音です。録音は2021年8月4日から6日にかけて碧南市芸術文化ホール「エメラルドホール」にて行われています。ピアニストの演奏は東京藝術大学でプーランクの研究に基づく博士号を取得した深い理解に支えられ、知的な音楽アプローチと瑞々しい感性が融合したものです。洒脱さやユーモア、気品、甘い毒、哀しみといった多彩なエスプリが色彩豊かに展開されています。

収録内容はプーランクの多彩なピアノ作品を網羅しています。代表的「三つの常動曲 FP14」や「ワルツ ニ長調 FP17」、「三つのノヴェレッテ FP47」、「ナポリ FP40」、軽やかな「プレスト FP70」や「ユモレスク FP72」、「バディナージュ FP73」に加えてルネサンス風の「フランス組曲 FP80a」といった流麗な組曲も含まれています。さらに「6つの子供の小品 FP65」「間奏曲第3番 FP118」、そして「15の即興曲」や「Suite francaise」など全41曲、約1時間17分にも及ぶ豊かな楽想が収められています。

格式の高いSACDハイブリッド仕様は、SACDプレイヤーだけでなく従来のCDプレイヤーでも再生可能である仕様となっています。レーベルはTriton、発売元はオクタヴィア・レコードである点も付記できます。

この録音はプーランク音楽への深い愛情と響きへのこだわりが結実したものであり、ジャンルの多様性を豊かな音色で楽しめる内容です。演奏者の専門性と解釈の独自性が明確に反映され、作品ごとに異なる情趣とユーモアが織り込まれている点に特有の魅力があります。

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