攻略本や設定資料集やファンブック類を取り扱い

クトゥルフ神話TRPGのキーパーを対象にしたサポートブックで、ゲームの深みを増やすための設定資料およびツールとして高い評価を受けています。著者はKeithHerberほか、訳は坂本雅之氏および中山てい子氏が担当しています。発行元はエンターブレインで、版型はB5・約112ページです。

本書の内容は、クトゥルフ神話の世界観においてキーパーがシナリオを豊かに演出するための追加データに特化しています。具体的には、まず「魔導書」の扱いが大幅に拡充されており、例えば「ネクロノミコン」や「ポナペ教典」といった既存の有名魔導書に加えて30冊以上の魔導書・関連訳本・解説書が紹介されています。

次に「クリーチャー／種族」の掘り下げがなされており、たとえば「深きもの」「ミ＝ゴ」といったクトゥルフ神話において象徴的な存在を６種族選び、生態・歴史・関連する設定の「隠された部分」まで言及しています。これにより、シナリオ作成時に「なぜその種族が出現するか」「どのような背景をもつか」といった設定を手厚く組み込むことができます。

さらに、本改訂新版では新章「ミソス・エクス・マキナ」として「異界の機械」約40種を掲載しており、クトゥルフ神話らしい「人智を超えた機構」や「異次元的装置」をシナリオに組み込むための素材が提供されています。加えて「新しい呪文」「新しいクリーチャー」「古代語の紹介」など、細部にわたる拡張データが収録されているため、既存プレイヤー・キーパー両方にとって「手持ち資料を増強する」意味があります。

また、付録として「キーパースクリーン」が同梱されており、キーパーがゲーム進行中に参照しやすい資料を一目で確認できるように設計されています。実用面においても配慮された構成であると、ユーザーからのレビューでも指摘されています。

このサポートブックを活用することで、キーパーはプレイヤーに対して「未知と恐怖」の演出をさらに深化させることが可能になります。たとえば魔導書の謎を軸にプロットを仕立てる、異界の機械を操作対象または謎解きの核とする、特異なクリーチャーの動機・生態を丁寧に語る、というような展開がより豊かなものとなります。設定資料としてだけでなく、シナリオ構築支援ツールとして非常に実用的な一冊です。

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