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主人公ジオとケイがミクロ世界へ飛び込み、微生物の「危険さ」と「面白さ」を体感しながら学ぶ科学漫画の一冊です。朝日新聞出版の「科学漫画サバイバル」シリーズの第59巻として刊行されています。

まず物語の流れを紹介します。前作でヒポクラテス号のトラブルによって縮んでしまったジオとケイは、本作でも再び人体や身近な環境よりさらに小さなスケールへ。犬の毛の繊維、タオルの表面、水中といった日常生活の環境を舞台に、食中毒菌サルモネラ、あるいは抗生物質が効かないスーパーバクテリアといった「人にとっての危険な微生物」と出会います。ジオとケイは討論、対策、逃避行を重ねながら、最終的に戻る道を探す展開です。

ストーリーによって科学的事実を自然に知ることができる点です。単なる解説よりもキャラクターの動機や危機が伴うので、子どもの興味を引きつけやすくなっています。劇的な場面と科学用語のバランスがとれており、微生物の種類、増殖の条件、抗生物質耐性など、読み進めるうちに「なぜ〇〇は増えるのか」「どうすれば抑えられるか」といった疑問を生じさせます。読書を通じて 「微生物」 という目に見えない存在を身近に感じられる構成です。

絵の観点では、韓賢東氏による描写が視覚的に豊かでリアルです。菌やウイルスの形状、微細な環境の描写、キャラクターのリアクションに緻密さがあります。漫画表現ならではの誇張やコマ割りの演出を用いながら、読み手が没入できる世界を構築しています。登場キャラクターの表情や緊迫感の演出が、単なる図解だけの書とは異なる読み応えを与えます。

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