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著者である森井 啓二氏が、私たちが普段「ただ参る」だけになってしまっている神社を、より深く、そして内面とつながる場として再認識させるために書いた書籍です。縄文期から連綿と続いてきた日本の神社の意義や構造を、参拝という行為を通じて「心神」という感覚とリンクさせながら紹介しています。

本書の構成は、序章から第４章まで展開され、まず「神社の真の目的―神様の天意と人の愛を合わせる」と題して、神社がただの建築物ではなく、地球規模での見本ともなりうる聖地であるという視点を示しています。 次に第１章では「知られざる神社の心得―心神の秘密を解き明かす」として、日本が「神の国」と称される背景や、神社と人の身体・心との関係性について深掘りします。 第２章「神社参拝への道―内的探求と照応した参拝」では、鳥居・参道・拝殿といった構造を参拝という行為と絡ませて考察し、どのように心の状態を整えて神社に赴くべきかを示しています。 第３章「神社参拝の秘訣―人の力と神々の恩頼が融合する世界」では、鈴の音・賽銭・おみくじ・絵馬など、参拝時に行われる所作の意味を解き明かし、参拝が単なる儀式から「変容の場」へと昇華するための手がかりを提示しています。 第４章「神社参拝を進化させる―宇宙に遍満する完全な純粋意識を知る」では、内なる魂や宇宙意識との照応という視点から、参拝をさらに高めるための意識的な取り組みが語られています。

本書は、神社を訪れた際に「なぜ手を合わせたくなるのか」「その参拝の背景にある意味は何か」という疑問が腑に落ちる方が多いと評価されています。 また、身体感覚や環境、参道を歩く際の空気の変化といった「場とのつながり」を深く味わいたい方にとっても、興味深い視点が得られる内容です。本書が提供してくれる価値として、神社参拝を形式的・表面的なものから、自らの内面と対話する行為へと深化させるためのガイドとして機能することが挙げられます。「参拝＝願掛け」という図式を越え、「神社・神々・人」の循環的な関係性を理解し、実践的な参拝の在り方を探るための手引きになっています。読者が神社をただ訪れるだけでなく、「そこに息づく神氣・場のエネルギー」と対話する機会を得られる点が、本書の特長です。

ただし、霊性や神道に関する知識や意識への関心がある方向けの内容となっており、一般的な参拝ガイドや観光向けの本と比べると深めの語りがありますので、軽く読みたい方にはやや重く感じられる可能性もあります。神社参拝という日常的行為の背後にある「見えない世界」を、丁寧に探求したい方にとって、本書は貴重な伴走者となります。

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