月刊誌、新書、パソコンゲームソフト等を現金化

「話し方」の技術だけを求めるのではなく、「伝えたい自分の想い」や「なぜそれを話すのか」という根本に立ち返ったコミュニケーション論を展開しています。著者自身が〈大学卒業後フリーター、人見知り、極度の口下手〉という状態から、舞台俳優として立ち上がり、営業職、企業研修講師へとキャリアを変貌させてきた実体験をもとに、「人を惹きつける」話し方を6章構成で語っています。

まず第１章では「上手く話そうとしないこと」の大切さを説いています。華麗な話術を身につけるより、話し手自身が「ここにいる意味」を自覚し、肩ひじ張らず、自分の言葉で語る姿勢が人を惹きつける要因だとしています。第２章では「発声」よりも「発想」を重視する観点が紹介されており、自分の言葉にリアリティをもたせ、発する言葉と頭で考える言葉を一致させることが肝と記されています。第３章は「まず書く」という章題で、話すためにはまず自分の考えを文字に起こして「頭の整理」をすることが効果的だとしています。著者は「書く練習」が話す自信に繋がると実感しており、実践方法としてテンプレートも示しています。 第４章では「相手を喜ばせる」こと、つまり相手視点で話すことが信頼と関心を引き寄せるとし、「聴く」姿勢そのものが語り手の魅力になることを強調しています。第５章は「イメージさせる」話し方について記しており、聞き手の頭に映像が浮かぶように語ることで記憶に残る話になるとしています。実際、著者が語る営業・舞台経験を振り返ると「説明だけで終わらず、聞き手がイメージできる語り」を心がけた結果、成果が出たと述べられています。最終6章では「「見られる」より「見る」意識で話す」技術を伝えており、話し手が常に自分を客観視しつつも、相手や場の空気を「見る」ことが、緊張や自己意識を超えて自然な伝わり方を生むと説いています。

読者からの反響として「話すときにちゃんと準備して「書く」習慣を持つことで、頭が整理された」「実感をもって語るという言葉が刺さった」「頭・胸・腹の「ポジション」を意識してみたら変化を感じた」といったものが見られます。 ただ一方で「内容は既に知っていた話術と重なる部分がある」「もっと具体的な練習メニューが欲しかった」という声もあります。

本書がユニークなのは、著者が劇団舞台を含む「伝える」現場を持っていた経験から、単なるビジネストーク術にとどまらず「舞台人の言葉のリアリティ」をコミュニケーション理論に昇華している点です。例えば、著者が 劇団四季 に在籍していた経験や、TEDx登壇動画で語った 「頭・胸・腹」 の語り分けの実演などが背景にあります。 このように、話し方に悩んでいるビジネスパーソン、講師、プレゼンター、接客・営業職の方々だけでなく、「自分の言葉で人に響かせたい」と考えている人にとっても多くの気づきを提供してくれる書籍です。特に「書く→整理する→話す」というプロセスを丁寧に解説しており、実践の第一歩として読みやすく構成されています。

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