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国内最高峰GTレースであるSUPER GTの第１回から2024年シーズンに至る「約30年分」の歴史を一冊にまとめた記念本です。全388ページのオールカラー体裁で、1994年の初開催から2024年までの31シーズンにわたるレース結果、参戦マシン、シーズンの変遷などを網羅しています。

本書では各シーズンごとのレースレビューが掲載され、年ごとのトピック、シリーズ全体の流れ、マシンや規則の変化などを俯瞰できます。各年の参戦マシン、チーム、ドライバーの情報も掲載され、多くの写真やマシンスタジオ撮影による画像を通じて「当時の空気感」や「技術の進化」を体感できるよう構成されています。1980年代や1990年代の光景を知らない若いファンにとっても、歴史の重みを感じ取れる内容です。

2000年代の「ワークス黄金期」を振り返る「GT500エース座談会」が復活しており、当時人気と実力を兼ね備えていたエースドライバー三名――脇阪寿一、道上龍、本山哲――が語り手として登場し、聞き手はドライビング哲学やGTレースの裏話に詳しい土屋圭市が務めています。彼らの証言を通じて「速さ」のみならず「クルマ造り」「チーム運営」「ライバルとの駆け引き」など、GTという文化の深層に触れられる構成です。

さらに、2014年以降のGT500マシン開発の流れをメーカー別にたどるパートも設けられており、トヨタ／ホンダ／ニッサンそれぞれの技術革新、マシンの進化、規則適応などを時系列で理解できます。1990年代のマシンクロニクルや、マシンコレクション、各シーズンのポイントランキング、スタンディング表、さらにはシリーズ外イベントで走ったマシンなど、「データブック」的な使い方も可能です。 このように「SUPER GT 30YEARS」は、単に記録を並べただけの資料ではなく、写真と文章、データと証言を組み合わせることでSUPER GTの「現在」がある理由と「歴史」の重みを読者に伝える構成になっています。ただ過去を振り返るだけではなく、未来へ向けたレース文化の価値を再認識させる一冊として仕上げられています。

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