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大森一樹監督が脚本も手掛けた1987年12月5日公開の東宝製作映画です。主演は斉藤由貴さんが務め、彼女が演じる安達郁子は北海道の地方で編集部のアルバイトをしながら将来を模索する高校生です。全国の風景を舞台に様々な女性と出会い、それぞれの人生に触れることで郁子が少しずつ成長してゆく物語が描かれています。

共演には古村比呂さんが郁子の友人・河野麻理役、朝加真由美さんが先輩・暮林愛子役、竹内力さんが河野の関わる人物・石橋宏幸役として登場します。キャストには雪村いづみさんや浅茅陽子さん、伊武雅刀さん、室井滋さん、山田辰夫さんなど豪華な顔ぶれが揃います。音楽はかしぶち哲郎さんが担当し、主題歌には斉藤由貴さん本人が歌う「さよなら」が使用されています。

映像作品としては斉藤由貴さん出演の「大森三部作」と呼ばれるシリーズの完結作にあたり、青春と別れ、成長をテーマに据えた作品です。物語は父親が突然歌手を目指し、母親がイルカ調教師になるという家庭環境の中で、安定を失った郁子が友人や先輩、年上女性との交流を通じて自己を見つめ直す構成で、旅行を通じた出会いと別れが織り交ざるドラマとなっています。

スキーリゾートや北海道の風景、宝塚ファンを自認する麻理といった設定も交えられ、女性たちの人生の多様性を語る点にも特色があります。公開当時は同時上映作品に「ゴルフ夜明け前」が組まれていました。サウンドトラック的要素もあり、音楽とドラマが丁寧に融合した作品として評価されます。

映像ソフトとしてVHSはすでに流通が限られた状態ですが、DVD版や名作セレクションによって一定の再評価が進んでいます。青春期特有の葛藤や岐路に立つ少女の内面、そして異なる世代の女性との関係性を通じて「さよなら」を経験しながら成長してゆく郁子の視点が温かなタッチで綴られており、斉藤由貴さんの主演作としても見応えあるドラマです。

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