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「保守」と称される思想・行動原理を、過去の偉人たちの霊的対話を通じて問い直す一冊です。発刊日は2025年9月2日で、四六判・132頁相当の書籍です。 本書の構成は二章形式にまとめられています。第一章では昭和天皇の「霊言」として、戦争責任・皇室の現代的メッセージ・右翼運動・国防といったテーマを語る対話が収録されています。 第二章では東郷平八郎の「霊言」により、国家の気概・軍事・保守思想の実践的側面が論じられています。著者は、これら「霊言」を媒介にして、現在の日本社会における保守の意味を再検討する枠組みを提示しています。

本書の特徴として、まず「公わに語られなかった戦争責任・靖国参拝・皇室制度・国防」というテーマが扱われている点が挙げられます。例えば、昭和天皇霊言では「先の大戦は避けることができたのか」という問いに応じて語られています。 また、東郷平八郎霊言では「正々堂々の陣で「正論」を貫け」という副題が付され、日本の保守的立場における自覚と覚悟、リーダーシップの在り方が説かれています。 読者にとって興味深いのは、著者が「霊言」という形式を用い、戦前・戦後の帝王・軍人の視点から保守観を語らせている点です。これにより通常の政治思想書とは異なる、宗教団体・思想運動的な文脈を含んだ議論が展開されています。

本書を読むにあたってのポイントとしては、まず「保守とは何か」という問いそのものに正面から向き合っている点です。保守思想を単なる既存秩序維持ではなく、国家・民族・信仰・責任という観点から再定義しようとしています。昭和天皇・東郷平八郎という二名の偉人霊言を通じて「歴史的・霊的証言」を読み解くことで、現代日本における保守の実践がどのようにあるべきかを探る構成です。さらに、著者は「保守の正義＝責任と覚悟」の観点を強調しています。例えば、皇室の在り方や国防・右翼運動など、言いにくいテーマをあえて取り上げ、保守思想の中にある「覚悟する力」「歴史を背負う力」のあり方を模索しています。

ただし、本書は一宗教団体の信仰的背景を持つ著者による著作であるため、思想的前提・読解視点が一般的な歴史叙述や政治理論とは異なることを念頭におく必要があります。保守思想の定義や「霊言」の解釈には読者自身の批判的視点も併せて持つことが望ましいです。

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