アンサンブル楽譜やフルスコア等を取り扱い

内容と構成 この本は、発声指導や合唱指導に関する「１８２のコツ」を Q&A形式で提示しています。発声や歌唱技術に関する具体的な課題を扱う「発声指導のＴｉｐｓ」と、合唱団全体をまとめたり練習を設計したりするときの問題を扱う「合唱指導のＴｉｐｓ」の二部構成となっています。 発声の部では、声門閉鎖、息もれ、アッポッジョ、力み・アジリティ、呼吸法、母音・子音・共鳴、軟口蓋、ハミング、ヴィブラート、地声・裏声・声区融合、音域、音量、コンディション管理、日々の発声練習などがテーマに含まれています。 合唱指導の部では、練習計画、音取り、ユニゾン、ピッチ、指揮、パート分け・並び方、コンクール対策など合唱団を指導する上で遭遇しやすい実務的な場面に対応しています。

著者と対象 著者は黒川和伸氏、合唱指揮者・音楽教育者としての経験が豊富です。発声・指揮・合唱教育の理論と実践を兼ね備えており、実際に中学・高校・地域合唱など多様な場面で指導してきた実績があります。 対象は合唱指導をしている先生、明確な指導の方法を探している人、あるいは合唱団を運営していて「どう改善すればいいか分からない」場面を抱えている人に適しています。初心者から中級・上級指導者まで利用可能な内容が広く揃っています。

ページ数・形態などの仕様 この本は A5 判で約２００ページあります。発行は ２０２３年８月、明治図書出版より刊行されています。内容は理論的背景に加えて具体的な練習例・指導上の注意点が多く含まれているため実務で使いやすいスタイルです。

特徴 この本の特色として、指導の「現場の声」に応える形で書かれていることが挙げられます。インターネットでは漠然としていたり断片的だったりする合唱指導の悩みに対して、具体性のあるアドバイスを提供しています。発声の微細な問題にも目を配っており、声の質を細かく磨きたい教員や指揮者にとって貴重な内容です。合唱全体をまとめるための指揮法・練習計画・配置などの実践的なヒントが多く、合唱団の仕上げに関わる場面での使い勝手が高いです。

活用するポイント まず、自分が抱えている具体的な課題を明らかにしておくことが有効です。発声・声区融合か、ユニゾンのまとまりか、練習スケジュールの立て方かなど問題を絞ることで、１８２のコツの中から該当する項目を素早く参照できます。練習計画表や合唱団の練習ノートにコツを取り入れて、小さな実験を繰り返すことが効果的です。声や発声モードの変化には時間がかかるため、一定期間追って観察することをおすすめします。指揮者として身振り・体の使い方・テンポの変化など自身の指導スタイルを意識的に見直しながら本書のヒントと比較することが指導の幅を広げる鍵になります。

留意点 各コツはあくまでヒントであり、合唱団・メンバーの年齢・経験・声質・使用する曲のジャンルによって適用度が異なります。環境や時間配分・メンバーの意向といった実情を無視して無理に取り入れると指導の負担が増える恐れがあります。すべてのコツを一度に変えようとせず、少しずつ取り入れて変化を確認することが望ましいです。

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