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フォン・シャオガン監督による2017年公開の中国青春ドラマで、中国軍の歌劇団に属する若者たちの恋や友情、時代の変動を精緻な映像で描いています。1970年代から80年代にかけての文革以降の激動期を背景に、主人公シャオピンと模範兵リウ・フォンを中心とした群像劇の構造です。

本作は厳歌苓による同名小説「芳華」を原作としており、監督自身も若き日に文工団に所属していた経験が反映されています。作家と監督が同じ出身という点が作品に深いリアリティを与えています。トロント国際映画祭の特別上映部門に招かれるなど国際的評価も高く、アジア・フィルム・アワードで最優秀作品賞を受賞しました。中国国内でも公開1ヶ月で興行収入は約230億円、動員は4000万人を超え、文芸作品として異例のヒットを記録した点も注目されます。

映像面では文工団での練習や舞台の華やかさと対照的に、ベトナムでのゲリラ戦を6分間のワンカットで描いた戦闘シーンに衝撃を受ける観客が多数いました。軍服や装備が美しく整えられた「美の中に潜む残酷」という演出は、レビューでもとりわけ評価されており、あらゆる時代を通じても通底する青春の葛藤を爆発的に映し出しています。

キャストは黄軒、苗苗、鐘楚曦、楊采鈺、趙立新などが揃い、新人から実力派まで多彩な演技力を発揮しています。特に黄軒は主人公リウ・フォン役で穏やかかつ芯のある演技を見せ、苗苗演じるシャオピンは無垢な情感と成長の軌跡を確かな存在感で支えています。

本DVDは2019年10月11日に発売され、135分におよぶ本編に加えて豊富な映像特典が含まれます。メイキング映像や監督・出演者のインタビュー、未収録シーン、予告集などを収録し、作品理解を深める素材が揃っています。大判ポストカード付属の初回限定仕様も好評でした。

批評面ではその映像美と切なさが多くの共感を集めており、観客やレビューでは「美しさと戦争の残酷さの対比が心に刺さる」「青春の刹那と時代に翻弄される若者たちの姿が胸に迫る」といった声が聞かれます。ただ中国軍の一方的肯定や戦争描写について賛否もあり、社会的・政治的な読み解きが必要だとする意見も散見されます。

国際的評価としてはアジア・フィルム・アワードでの作品賞、香港、マカオ、台湾など複数の映画賞でノミネートや受賞歴があり、その映像美とテーマ性が高く評価されました。

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