野球教材専門書やメジャーリーグ等を高額買取

内田聖人氏が著し、マイナビ出版から2023年8月28日に刊行された野球実用書です。144ページの薄手ながら内容は濃く、現役で155km/hを記録する著者が実体験と科学的視点を交えて球速向上の核心を解説しています。

本書は大きく四部構成で展開します。第一部では「ピッチング動作」の基本構造を物理学的に見直すことで速球の本質を理解する視点を提供します。第二部では「フォームの四要点」を挙げ、テークバックやリリース時の力の使い方に焦点を当てて具体的な動きの最適化を図る手法を示します。第三部ではQ&A形式で「誰でも速い球が投げられるか」「筋力と球速の相関」など、指導現場で頻出する疑問に著者が回答しています。第四部ではプライオメトリックやウエイトを含むトレーニングを４種紹介し、理論で分析された動きに筋力や柔軟性、爆発力を付与する実践編となっています。

ダルビッシュ有選手や千賀滉大選手をはじめ、日本とメジャーのプロ投手に直接指導実績を持つことも強い説得力となっています。著者は米国独立リーグ挑戦、怪我による球速低下からの再生という自身の経験も披露し、その復活過程で磨き上げた投球理論を若手からトップ選手まで幅広い層に向けて展開しています。解析システムの活用やオンラインサロン「NEOLAB」でのサポートも背景にあり、実践の再現性と体系性が感じられます。

本書の特徴は単なる理論や精神論にとどまらず「ボールに力を伝える」という根幹に絞っている点です。指先からリリースにかけての「ロスをなくす力の伝達」、フォームと筋力を結びつける具体的トレーニングをセットにして提示します。その結果、160km/h超を目指す意欲的なアスリート向けに限らず、中高生や社会人レベルの選手でも参考にしやすい構成となっていて幅広い対象層に対応しています。

著者の経歴では静岡県伊東市出身で甲子園経験、早稲田実業・早大・社会人経て独立リーグ挑戦という野球人生を歩んでおり、さらにNEOLAB創設から若手育成、ディーン元気らとの共同トレーニング導入など多角的な指導を行っている点も本書の信頼性を支えています。

総じて本書は速球に特化した専門書として、理論と実践がバランス良く配合されており、球速向上を真剣に目指す投手にとって有益な視点と方法を提供しています。野球技術書としては読みやすく、フォーム改良から筋力トレーニングまで筋道が明確で、実際の指導現場にも取り入れやすい構成となっています。

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