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2004年に日本プロ野球界を揺るがせた一連の出来事を詳細に追ったノンフィクション作品です。近鉄とオリックスの合併、史上初の選手ストライキ、楽天の新規参入、ソフトバンクによるダイエーホークスの買収など、球界の枠組みが大きく変動した年の真相を、著者の山室寛之氏が当事者の証言や極秘文書をもとに明らかにしています。

著者は、読売新聞社で社会部長や広報部長を歴任し、1998年には読売巨人軍の代表も務めた経歴を持つ野球史家です。これまでに「1988年のパ・リーグ」など、球界の裏側に迫る作品を手掛けてきました。本書では、球団経営者やNPB関係者、政財界のキーパーソンたちの発言や行動を丹念に追い、複雑に絡み合った出来事の因果関係を解き明かしています。

2004年のプロ野球界では、近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブの合併が発表され、これに反発した選手会が史上初のストライキを決行しました。その後、楽天イーグルスの新規参入やソフトバンクによるダイエーホークスの買収が行われ、球界の再編が進行しました。これらの動きの背後には、各球団の経営状況やNPBの運営方針、政財界の思惑などが複雑に絡み合っていました。

本書は、これらの出来事を単なる事実の羅列ではなく、関係者の証言や内部文書をもとに、詳細かつ客観的に描いています。読者は、当時の報道では知り得なかった舞台裏や、関係者たちの葛藤、決断の背景などを知ることができます。

プロ野球ファンはもちろん、スポーツビジネスや組織運営に関心のある方にとっても、興味深い内容が詰まっています。2004年の球界再編が現在のプロ野球にどのような影響を与えたのかを理解するためにも、一読の価値がある一冊です。

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