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良心的な入門書
(2005-03-18)
文化人類学の入門者が手にする概論書は数多くあるだろう。私自身も文化人類学の学び始めの際は、さまざまな入門書・概論書をもとに学習した。しかし、本書の内容の充実度、入門者の視点に立ったわかりやすい論理構成などはその中でも突出したものがあると感じられる。
文化人類学は、その学問枠組みのなかにおいてでさえ、多様な分野に細分化される雑多な領域である。しかしながら本書において、文化概念、文化相対主義、家族・親族論、通過儀礼、生態人類学、宗教・象徴人類学、医療人類学などに端を発する主要で基本的な理論は大概カバーできる。「カレッジ版」の名の示すとおり、大学生の教養科目のテキストを想定しているからであろう。したがって、おおまかな文化人類学像を描きとろうとしていること、あるいはその理論同士のつながりを把握することが目的であるならば、本書の参照は強くお勧めできる。
ただ残念な点は、文化人類学における学説史に十分な紙面が割かれていないところである。そのような点は他書によって補う必要があるだろう。
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ただ残念な点は、文化人類学における学説史に十分な紙面が割かれていないところである。そのような点は他書によって補う必要があるだろう。
